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俺は首をかしげながら。
「俺はシャード=ランダー。
ランダー家の一人息子。」
取り敢えず分かる箇所だけ答える。
「でも、習ったって何のこと?」
「そうか、自然会得か。
こいつはなかなかいいな」
黒髪の男はまた訳のわからないことを呟き、口元を緩める。
……自然会得?
なかなかいいって何が?
「さっきから何のことを言ってるんだ?」
男の顔を見つめる。
濃い顔だ。
黒髪の男は真剣な表情になり、俺の目をまっすぐ見つめ返して言った。
「教えてやろう。
少年、お前は『Dパーソン』だ」
…………。
「……でぃーぱーそん??
聞いたことねぇ、何だそれ?」
俺はさっきと全く同じ表情で首を傾げる。
黒髪の男は目を細めた。
「Dパーソンとは、一般人とは一線を画した特異な能力を持つ人間のことだ。
このような人間は、世界でも数は限られている。
そういう人間を探し出し、育成所で育て上げるのが俺の仕事だ」
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