不思議な力

7/10
前へ
/37ページ
次へ
  俺は首をかしげながら。 「俺はシャード=ランダー。 ランダー家の一人息子。」 取り敢えず分かる箇所だけ答える。 「でも、習ったって何のこと?」 「そうか、自然会得か。 こいつはなかなかいいな」 黒髪の男はまた訳のわからないことを呟き、口元を緩める。 ……自然会得? なかなかいいって何が? 「さっきから何のことを言ってるんだ?」 男の顔を見つめる。 濃い顔だ。 黒髪の男は真剣な表情になり、俺の目をまっすぐ見つめ返して言った。 「教えてやろう。 少年、お前は『Dパーソン』だ」 …………。 「……でぃーぱーそん?? 聞いたことねぇ、何だそれ?」 俺はさっきと全く同じ表情で首を傾げる。 黒髪の男は目を細めた。 「Dパーソンとは、一般人とは一線を画した特異な能力を持つ人間のことだ。 このような人間は、世界でも数は限られている。 そういう人間を探し出し、育成所で育て上げるのが俺の仕事だ」  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加