ーPrologueー

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  だけど悲しいかな、もうすでに母の目線は、後ろに回した俺の手をロックオンして外す気配が全くない。 ……ちくしょう、諦めるしかないか! 「いや、あの、実は……」 「どうせまたご近所からなんかくすねてきたんでしょ!」 ずばりと言い当てられた。 俺は両手を、しぶしぶ前に出す。 俺のリンゴ……ああぁ。 泣いちゃうよ? 俺泣いちゃうよ? 母はリンゴをあっという間に取り上げ、俺に言う。 「一週間外出禁止です」 は…!? 俺のなかで何かがプツンと切れた。 「それはねぇって!!まじ腹減ってたんだもん」 「黙れ」 「はい……」 俺はなんか昔から母には弱いんだよ。 悪いか?  
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