ーPrologueー

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  「あ゛ぁ~もう」 部屋のドアを閉め、思いっきり悪態をつく。 もっと裕福な町に生まれたかったなぁ。 にしても俺、情けないなぁ……。 ……なんか眠くなってきた。 まぁいいか、もう寝ちまおう。 俺は半分やけになって、外出したそのままの格好でベッドに倒れ込んだ。 あっという間に瞼が落ちる。 …………。 まだ幼い少年、シャード=ランダー。 このあと彼に、16才の彼にはあまりにも過酷な運命が降りかかることになろうとは。 運命とは皮肉なものだ。 ――いや、もしかしたらそれは必然であったのかもしれない。 どちらにしろ――今のシャードには、そんなことは知る由もなかった。  
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