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「……」
「……」
拓人の報告にポカーンとする二人だった。
「えぇ!!?」
「はい!!?」
そして、突然驚く二人。
「嘘じゃないよ。これで僕も樹と同じLV11だね」
状況がのみ込めていない樹と海斗に笑顔全開の拓人。
「かわいすぎるぜチクショウ!!!」
拓人の笑顔に萌える、バカ……もとい、海斗。
「すごいよ!!タク!」
拓人のLVアップを純粋に喜ぶ樹。
「あっ!報告書、今日の8時までだった!!」
拓人は何かを思い出し慌てる。
学園都市の住民には、超能力に目覚めると、報告書が渡される。この報告書は、持っている本人のLVが上がる度に書き換えを行い、持ち主が通う学校に期限までに出さなければならない。提出期限はLVアップが確認されてから約72時間後までである。期限までに提出しなかった場合、一週間、超能力を使うことを禁止させられる。
ちなみに、現在の時刻は午前7:50。
「どうしよう。間に合わない!」
かなり困った様子の拓人。
そんな拓人に横から声がかけられる。
「王子様、私の存在をお忘れではありませんか?」
どこぞの金持ちの家の執事を連想させる口調で拓人に声をかけたのは……
「カイ!!空間移動頼めるかな?」
バカ……もとい、松原海斗であった。
海斗の能力を使うことに至った拓人は後ろを振り向いて両手を合わせて頼み込みのポーズ。
「もちろんです!私の能力は王子様の為にあります!」
そんな海斗に樹は心中で「カイ、何キャラだよ」と呟く。
「ありがとう、カイ!カイは僕の救世主だよ!!」
申し出を受けてくれた海斗に最強(女子+海斗にとって)武器、笑顔を繰り出す拓人。
「それでは。あぁ、樹様もご一緒に」
拓人の笑顔にキモさ全開の海斗が樹と拓人、自分を発動領域に入れ、空間移動を発動。
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