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「ねぇ、カイ」
「なんだ?樹」
樹と海斗の二人は自らが通う学校へ移動中である。そんな中、樹が口を開き、それに海斗が答える。
「絶対遅刻だよ!しかも、今日は『検査』の日だし!」
「わかっているさ!樹よ!だから、我々は走っているんだろう?」
と、実は二人は学校まで全力疾走の真っ最中なのだった。しかし、二人は共に息を切らすことなく、かれこれ、10分は走り続けていた。
「しゃあないな。俺の能力使うか?」
諦めたかのような海斗の声に樹は待ってました!とばかりに首を縦に振る。
「よしっ、ちゃんと捕まってろよ。樹」
「うん。もちろんだよ、カイ!」
そして、二人の姿が一瞬にして消えた。
場所は変わって、私立高校聖条学園校門付近。
シュンっという音と共に二つの人影が現れた。
「ふぅ、どうやら間に合いそうだな」
「さすがだね、カイ」
人影の正体は樹と海斗。どうやったかは知らないが、学校まで数キロの場所からこの校門付近まで一瞬にしてやってきたのだ。
「まぁね。俺の能力はこういう時にも使えるからな」
「だね。カイの空間移動はいつもすごいや。さすが、LV.6!」
どうやら、さっきの現象は海斗の能力、空間移動によるものだったらしい。
『空間移動』:対象物に触れずに、別の地点まで運ぶ能力。もちろん、生物も移動可。
「なーに言ってんだよ!お前はLV.11のクセに」
「あぁ~、それは言わない約束だよ、カイ」
二人は会話しながら校門の方へと歩いて行く。
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