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樹と咲先生が互いににらみあっている教室。
「先生、僕が所属する機関をご存じですか?」
にらみ合い、能力のぶつかり合いの中で樹は咲先生に話しかける。
「知らん!!生徒会か!?」
冷静な樹に対し激昂の咲先生は半ば怒鳴りながら受け答えをする。
「先生、知らないんですか?有名ですけど……」
能力対決の真っ只中に首を突っ込み咲先生へと疑問を口にする人物が一人、海斗である。
「『本部』っていうと知らない人間はいないですよね?先生」
『本部』:正式名称『学園都市超能力現象対策本部』は学園都市で起こる様々な超能力事件などを察知し抑圧・沈静化する機関で、学園都市の人間ならば知らない者はいないほど有名である。所属生徒全員がLV8以上であるため、強者揃いの機関である。この機関に世話になった者はトラウマにより二度と悪さをしなくなるという噂である。
「その『本部』の第二統轄地区支部長であり、更には『学園都市超能力現象対策本部』の本部長なんスよ、こいつは」
その『本部』の本部長ともなれば、実力は当然LV11であり、学園都市全域には当然厚い人望があり、部下からの信頼度も半端ではない。
「『本部』……ですって!?……」
咲先生は明らかに動揺しているようだ。
「そういうことです、先生。無傷で授業したいのなら、能力解除をオススメするっスよ、俺は」
海斗の言葉を聞いた咲先生が慌てて能力を解除する。先ほどまで塞き止められていた炎の渦が跡形もなく消え去る。
「それで、さっきの続きだけど、今回は、『検査』の内容を変えて、クラス対抗超能力向上対戦だそうだぞ」
怒りを納めて通常時に戻った咲先生が改めて言う。
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