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「篠宮、先に帰るな」
「お疲れ様でした」
「あぁ、お疲れ。また来週な」
書類だらけのデスクを片付けながら、帰り支度を済ました役員に言葉を返す。
普段は綺麗に整理しているのだが、今日は書類が多かったせいか、それとも目を通す事に集中していた為か、分類される筈の書類が乱雑していた。
5分程かけて書類を整理し、鞄を持って生徒会室を出る。
鍵を掛けて右に体を向ければ、理事長室に続く廊下と、右側には一面に窓。校庭や校門が見える。
そして少し歩いた先、左手には階段。
3階へ下りる階段と、もう一つ。屋上への階段だ。
普段は鍵がかかっており生徒は立入禁止だが、彼は職員室にある鍵を拝借してスペアを作ったので、よく利用している。
理事長に何度か見付かった事があるが、彼は成績優秀、生徒会長としても優秀な事に加え、理事長自身の規則に関する考えが緩いので、黙認してくれている。
今日はいつもより生徒会を長引かせてしまった為、真っ直ぐ帰ろうと帰路を進める。
今日の夕飯は何を作ろうか、食材は足りるか、などと考えながら。
学校から20分歩くと、バスや地下鉄、電車などの交通機関が集合したような大きな駅がある。
大型ショッピングモールが同じ建物内にあり、食料品店は勿論、衣類店や雑貨店が並ぶ。飲食店などもあるので、平日の昼間も人で混雑する。
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