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「あ…紹介、遅れました。2年の『佐藤夏紀』です」
もう1人の女性が立っちお辞儀をする。
彼女は、『森川さくら』とは対極な感じで、白いワンピースに黒く長い髪は、腰まであった。
一言でいうと、大和撫子。
着物着たら似合いそうだ。
最後に、むっすりしたメガネを掛けた男が小説を閉じて紹介してくれた。
「『香川晃』だ。如月と同じく3年だ。如月、まだ部長来ていないぞ?」
「はぁ?遅刻っスか?折角、仮入部者連れて来たのに…」
「そんな事より、早くキャラを作ろうよ!」
森川先輩が2人の間に口をはさむ。キャラを作る?
如月先輩はしばらく考えて、森川先輩に言い放つ。
「そうだな…。でも、キャラシーないぞ?」
「部長が刷っているのかもしれませんね」
佐藤先輩が言う。それに皆は納得して、如月先輩が「クラスだけでも決めておこう」と言うと、皆は分厚い本をカバンから取りだして、どのクラスやる?と相談している。
キャラシー?
クラス??
俺は、なんの用語がさっぱりで、疎外感を感じつつ、彼らたちの行動を黙視していた。
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