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翌日も、その翌日も、そのまた翌日も、ずっと同じ様な日が続いた。
眼前に広がるのは広大な草原ばかりで、たまに変化があるとすれば、小河のほとりの小さな木がポツリと立っているだけである。
食べ物に関しては、手付かずの自然が広がっているので木の実なんかを食べてつないでこれたが、流石に限界が近づいて来ていた。
されど、弱音は吐いていられない。兎角歩き続けねばならないのだ。
もとから綺麗とは言いがたかった衣服も所々が破れ、草の液が染み付いている。装飾などない、麻の簡素な服である。それがまた汚れるのだから、目も当てられない。
年の端もいかぬ二人には過酷である。それでも、彼らにすがるよるべは用意されていない。
ただ気力の続く限り、歩くことしか出来なかった。
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