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大の大人とて、その日の飯を食べていくのが精一杯なのだ。一日死ぬほど労働して、得られるものは不充分な食料だけ。
アランたちは幼い頃から、その現実を見て育ってきた。自分達のために金を払えなんて、言えるはずがない。村長も村の皆も、助けてやれなくて無念だと言ってくれた。
誰のせいでもない、責任を誰かに押し付けることができるのならば、初めから悩んでなどいない。
抗うべき敵は、政府だ。税金の額が高いのを抗議しに行った両親達は処刑され、孤児となった二人に、更に追い討ちをかけるように、居場所まで奪った。
二人は帝国を心から憎んだ。この非情なる仕打ちに耐えられるほど、子らは成長していない。
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