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だから二人は、復讐を決意した。
復讐だの、決意だのといっても、彼らには何をしたらよいのか、もっと言えば何をしようかというのは全然分からなかった。
ただ漠然と、世界に対する猜疑心と政府への憎悪が虚空にこだまするのみである。
そもそも、彼らには明確な計画があってもそれを為す能力はなかったのだ。
言うなれば二人は、平均的な少年少女の自我を持った人形の一対である。そう比喩するに遜色ない。
それほどにこの若者達は、物事の中心になるには非凡な才能やら、他と違う個性やらなにやらが欠けていた。
しかし不幸なことに彼らの見識のなさは、自分達の凡人であるという事実をも隠し、身の丈に合わぬ危険を冒そうとしている。
その無鉄砲を止める物は最早何も無い。守ってくれる大人はいない。自分たちの死を悼む人間はいない。失うものは、ない。
物語は、幕を開けた。
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