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あれから15分程休み、ボクらは旅を再開した。
宛てなど無く、ただただ『イデアル』から逃げ続ける。
その道中で、ボクはあの人に沢山の質問をした。
『ニンゲン』にとって『嬉しい事』、『怒る事』、『哀しい事』、『楽しい事』とは何かを。
『喜怒哀楽』というのが『ニンゲン』の基本的な『感情』を構成しているという事は知っていた。
だからこそ、『ヒトガタ』には無いそれを知る事はボクが『ハザマ』から『ニンゲン』に近付く手段なのだろうと思う。
「リオン、あなたは人間よりもよっぽど知りたがりよね」
顔をしかめて笑うその仕種は、苦笑いというのだそうだ。
抱いている感情とは逆の感情を表に出す、それは『ニンゲン』にしか出来ない事だろう。
『ニンゲン』とは何とも言い難い種だ。
『理性』という機能で自らを制御し、『本能』に打ち勝つ精神力を持っているのが『ニンゲン』らしい。
『本能』に従うならば『ニンゲン』ではないらしい。
『感情』という素晴らしい機能があるのに。
何故、自らを殺さなければならないのだろうか?
その理由が分からずに誰もがその考え方に従って居るのなら、何とも言えない感覚にかられる。
もしかしたら、ボクには『哀しい』という『感情』は理解出来るかもしれない。
「ミラさん、ボクには『理性』の必要性が分かりません。
『ニンゲン』は全て平等の存在であると『本』で読んだ事が在ります。
それなのに、何故『理性』が在るために地位や身分に支配される道を選んだのですか?」
頭がうまく機能しない。
何故、どうしてしまったのだろうか?
言葉で言い表せない。
精神的に不安定だ。
「リオン、あなたは短時間で答えを求めすぎるわ。
それだと大事なモノを見失うわよ。
それに、今アナタが陥っている状態、それを混乱状態というの。
少しは頭を冷やしたらどう?」
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