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優「どうしたのって、びっくりするじゃん!」
学校じゃこんなこと滅多にしないのに!
右手の甲で口元を押さえて優は基也に怒った。
基也「違う。元気ないからどうしたの?」
元気に振る舞っても、朝から優ちゃんが浮かない顔してるのわかってるよ?
怒る優に真剣に基也は尋ねた。ドキッとした優は少し躊躇って首を振った。
優「なんでもない」
やだ……気づかれてる。
基也「わけないだろ?」
首を振る優の頬に右手を当てて、見つめ合うように基也は優を見下ろす。
基也「ちゃんと言いな?」
優「言ってもしょうがない!」
基ちゃんにはわからない!
悔しそうに優は叫ぶと基也の手を払って、校舎に向かって踵を返す。
基也「フゥ……頑固者」
言いたいこと溜め込んで、結局泣くくせに……。
基也は優の後ろ姿を見ながらボソッと呟いた。苛立った優は基也を振り返ることもせず屋上を出て行った。
今、追っても優と本当に喧嘩になりそうなので基也は落ち着く為に屋上に残る。
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