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空は灰色の雲に覆われ今にも雨が降ってきそうだ。そこは草原、辺りは草に覆われ、緑のカーペットのようだ。普段ならよい景色だが、この天気なので薄暗い少々残念な景色だった。
その中の簡単に整えられた道を1台の車が走っていた。4人乗りの四輪駆動自動車で、屋根にはソーラーパネルらしきものがついている。少々年期が入っていた。
乗っているのは2人。
1人は助手席に座る若い青年。整った顔立ちをしていて、髪は青色。長髪を後ろで1本にまとめ、そこから2本に枝分かれした変わったポニーテール(?)をしていた。黒コートに黒い長ズボンに黒ブーツと、黒1色の服装。胸元の銀の十字架のネックレスが目立っている。そして、背中からは蝙蝠のような羽が生えていた。もの静かな雰囲気の中にどこか異質なものが感じられる。
運転席に座るもう1人は、なんと少年だった。まだ十代前半くらいで、明らかに無免許運転だと思われる。まだ幼さが見える顔立ちに癖っ毛の水色の髪。白い長袖のシャツに歯車の模様が入ったネクタイ、ショートパンツを着ている。青年のように羽は生えていないが、両耳には耳をすっぽり隠すように電子機器のようなモノがついていた。青年とは対照的に陽気な雰囲気だ。
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