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辺りが薄暗くなってきたころ、グレイとルカは草村の上にシートを敷きランプで灯りを灯して座っていた。近くにはテントもはってあった。
「マスター出来たよ~」
そう言いながらルカはグレイに何かを手渡した。それはカップラーメン(極辛デビルラーメンと書かれている)と箸。
受け取ったカップラーメンの蓋を開けると、湯気が立った。中身は真っ赤な汁と真っ黒な具で覆われていた。そこに箸をつっこみズルズルと食べ始めた。
「…相変わらずいい味してますね。ただ少々ぬるいですね」
「まぁ、発電熱で温めたお湯も冷めてきちゃったからねー」
グレイはズルズルと食べていたが、ルカは何も食べず腕や首を回してたりしていた。
「う~ん、なんか違和感がするなー」
するとルカは突然立ち上がり、車の荷台から何か取り出した。1つは工具セットの鉄箱。そして、もう1つはビニールで包まれたルカと同じくらいの大きさ荷物を少々苦労しながら取り出した。そのビニールを丁寧に取ると、なんとそれはどこからどう見ても1人の少女だった。年代はルカと同じくらいで、水色のセミロングの髪の上にのった小ぶりの帽子がチャーミング。ルカと同じように耳がすっぽり隠れるようについた電子機器、白い半袖のシャツに歯車模様のネクタイ。あとは女の子らしいスカートと靴を着ている。その目は閉じられていた。
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