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「マスター、ちょっと替えてほしいんだけどー」
カップラーメンの汁まで飲みきったグレイは、静かに立ち上がるとルカの所に向かった。ルカも身を預けるように背を向けた。
すぐ近くまで寄ると、グレイはルカの首を探り触り始めた。やがて、パカッ、という音ともになんとルカの首の後ろが開いた。そこからグレイは丁寧に何かを取り出した。するとルカは糸の切れたマリオネットのように横に倒れた。グレイの手には小さなメモリーチップがあった。
次にグレイは先程の少女の所に移動した。ルカと同じように首の後ろを探り触っていると、こちらもパカッと開いた。そこに先程のメモリーチップを差し込む。するとそれまでピクリとも動かなかった少女が動き始めた。静かに目を開け、ゆっくりと立ち上がり、動きを確かめるように腕や首を回した。
「うん、こっちは問題無し」
満足気な表情を浮かべると、今後は工具セットをあさり始めた。
「それにしても、よくこまめに調整しますね」
「だって、毎回マスターがルカを酷い扱いするじゃん。いくらルカが高性能『アークロイド(自立行動機兵)』だからって、あれじゃあ故障したりするのは当たり前だよ~。もうちょっとルカのことを労ってよ~」
「嫌です」
グレイ即答。
「酷ッ!?」
「機兵といいながら、戦闘機能は皆無ですし」
「それを言わないで!!」
ルカダブルショック。
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