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「ふん。確かに、修司は反省どころか懺悔すべきね。許嫁の私に」
「どうして俺がお前に懺悔することになるんだ」
俺の隣にいるのは、入学式の会場と同じ型式のパイプ椅子に、えらそうに足組をして腰かける聖奈だ。
黒幕も何もない。
奴こそが、俺がここに呼び出された元凶である。
ちなみに、聖奈の隣には由夜さんがいて、目の前の長机を隔てた先に、千鶴会長を始めとする、生徒会のメンバーが勢揃いしていた。
でもまぁ確かに、俺は懺悔すべきなのかもしれないな。
こいつの許嫁発言を否定しなかったことを主に。
「なぁ、なんで大勢の前であんな事言ったんだ? しかも……キスまでして」
あぁ……思い出しただけで顔が火照ってきた。
「だ、だって本当の事じゃない。修司は私のものだから手ェ出すんじゃねぇぞ、って遠回しに言ってみたのよ」
こいつの言うことがどこまで本当なのかはわからんが、どうやらこの美少女は俺の事を好いてくれてるらしい。
いやー、とんだ物好きもいたもんだ。
「婚約なんて普通、好きな相手とするもんじゃないのか? 小4だぞ? 口約束だぞ?」
「好きよ。だから修司のいるこの星に……あ、いや、この学校に来たんだから」
軽く告られた。なんでだろ、軽すぎて全然心に響かねぇ。
そう言い終わると、聖奈は唇をとんがらせ、そのままそっぽを向いて、どこぞの空気を睨み付けやがった。
ちょっとした童顔だから、こうして見ると拗ねた子どもみたいで、なんか可愛い。
それより今こいつ、妙なことを言いかけた気がしたけど……まぁいいや。
「なるほどね、だいたいの事情はわかったかも」
ちょうど区切りのいいところで、千鶴会長さんはそう切り出した。
「つまり、あなた達は昔、そういう約束をしたんだよね? その……許嫁とか」
「ええ、したわ。ね、修司?」
「お前な、先輩には敬語使え。まぁ確かにしたんですけど……」
6年前の、あの日。
つまり、あの時のちっちゃくて可愛かった聖奈にそんな事を言われた覚えが、正確に、鮮明に、俺の記憶に残ってたってことだ。
こればかりは事実だ。嘘じゃない。
しかし、会長さんの考えが分からない。
だって今のこの部屋の雰囲気、どう見ても反省会って空気じゃないもん。
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