帰ってきた「星姫様」

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そんな時に都合よく、目の前に公園があった。 遊具・砂場・ベンチがある、どこにでもあるような施設だ。 「すまん、ちょっとここに寄っていいか?」 振り返り、後ろについてくる美少女二人にそう聞いた。 「別にいいわよ」 と、特に変わった様子もなく言葉を返したのは聖奈だ。 聖奈のその様子を一瞥した由夜さんも、にこやかにこくんと頷いてくれた。 幸いにもベンチは空いている。 速やかに、ベンチに腰掛けることにした。 「ふう……」 今日、何度目のため息だろうか? 回数を数えるのを諦めたくなるくらい、精神的にも肉体的にも疲れきっていた。 「お疲れのようですね、修司様」 そういって俺のとなりに腰掛けたのは、金髪碧眼美少女の由夜さんだった。 ちなみに今、俺の左側には由夜さんがいて、右側には無言の聖奈がいる。 早く座りたいがために、後先を考えないまま真ん中にどっぷりと腰掛け、結果、美少女に挟まれることになってしまったのである。 今はこの状況をポジティブに考えよう。 『俺の両隣には美少女がいる』とな。 ……あれ? これ余計に緊張してしまわないか? 「は、ははは……まぁ何と言うか、いろいろありましたからね……公然でキスとか」 今の俺は、きっと疲れ笑いを浮かべていることだろう。 吐き出すように淡々と並べた言葉には、我ながらその境遇に同情してしまいそうでもある。 そんな俺の様子を見越してか、由夜さんはそっと耳打ちしてきた。 「……すみません、姫様は思い立ったら行動に移さないと気が済まない性格でして。ご迷惑をおかけしてしまいましたね」 聖奈に聞かれないように、経緯というか、原因のようなものを教えてくれたのだろう。 由夜さんは苦笑いを浮かべている。 うん、やっぱりこの人いい人だ。何度も言うがとても同い年には見えない。 どこかの「姫様」にも見習ってほしいくらいだ。 ……そういえば、由夜さんと会話したのってこれが初めてだわ。
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