伊澄さんの話

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今は春です。 麗らかな春の風が流水のごとく飛び周り、桜の花弁を運びます。 雲一つ無い晴天の青空に、イキイキと鳥達が泳ぐ姿は本当に気持ち良さそうです。 春の陽気がとても心地よいです。 あぁ、なんて清々しいことでしょう。こんな日がいつまでも続けばいいと思います。 だけど、一つ困ったことが。 お外が余りにも気持ち良いので、私は散歩をしていたのですが、 「迷いました。」 ここは一体何処でしょう? 周りを見ても、私が生きてきた14年間で初めて見る景色で、とても場所なんて判りません。 自分の家なんてはもっての他です。 「困りました」 一体これからどうしましょう?。 誰か助けに来てくれないものでしょうか? そして、思い浮かんだのは 「ハヤテ様」 顔が赤くなったかもしれません。 私の想像の中のハヤテ様が笑顔で私に手を差し伸ばしてくれます。あぁ、やっぱりハヤテ様は素敵な方です。 私はその手を取りそうになった時、 全力でその想像を打ち消しました。 いけません。 ハヤテ様はナギの執事。ナギの想い人じゃありませんか。そして、私はナギの親友。親友を裏切るなんて私には出来ません。 それに私は誓いました。もう二度とナギを傷つけたりしないと。 それでも、憧れはあります。 初めてあった時、あの人なら私のヒーローになってくれる方だと思いました。 あの人なら私をいつまでも守ってくれる方だと。 だけど、ナギにはハヤテ様が必要です。ハヤテ様がいなかくなったらナギは泣いてしまうでしょう。 そんなこと、私はしてはいけません。
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