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------少女と男は、2度目の冬を過ごした。 男は、少女が名前を持っていないことを知り、名前を付けた。 黒き幸---ホーリーナイト、と。 彼女も、はじめこそ信じられなかったが、次第に彼に心を開き始め、今ではいつも一緒にいるくらいになった。 男は、絵描きだった。 『昔から売れるような絵は描けなくて、親にも見放されたよ。』 彼はそう言い、自嘲的で悲しそうな笑顔を向けた。 しかし、絵を描くために彼は様々な国を渡り歩いたらしく、 たくさんの国のことを知っていた。 彼女には珍しい話で、いつも目を輝かせて聞いていた。
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