始まりはいつも雨…

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店内は薄暗く‥ やけに黒がまぶしい世界‥光より闇が強く‥あるのはテーブルで光る小さな蝋燭‥ そこにいる人の顔や性別すら、わからないぐらい‥ 黒いフードの男は黙って静かにカウンターへ足を運んだ‥ 周りにいる人が静かに飲み物を口に運び、何かとひそひそと話をしている‥ ──‥‥‥ 『今日も雨‥ここ何十年も光を見ていないな‥』 と黒いフードの男はカウンター越しの店員に話かけた 『そうですね‥今となっては光はどんなモノだったか覚えてないくらいですよ』 と‥
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