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1.玄関
ケータイのアラームが鳴る。
"あー、眠ぃ…。"
手が覚えてしまったアラームの止め方。画面も見ずに操作する。
ちらりと薄目でケータイの時間を見た。
"やべっ!!"
慌てて飛び起きる。
朝は苦手だ。
特に冬は寒いし日のが昇るが遅いから、余計に起きられない。
でも寝坊してもご飯は欠かさない。生きるために食べるより、食べるために生きてるようなものだから。
頭は適当に櫛で梳かして、伸ばしっぱなしの前髪をピンで留めたら終わり。
急いで自分の部屋の荷物を持って階段を駆け下りる。
そこが玄関。
「あ、んもう!靴紐ほどけてんじゃん!」
肩に掛けた荷物を放り出して、ほどけてる靴紐を結ぶ。
立ち上がって右側にある鏡を見る。
乱れた前髪をピンで留めなおして、
「行ってきや~す」
さほど大きくもない声で誰にというわけでもなく言い、玄関の扉を開ける。
"よ~い、ドン"
玄関を出たらスタートの合図。私はバッグを肩に掛けて走り出す…
"今日もいい天気!でも空気が冷たくて顔が凍りそう…"
そんなことを思いながら家を出たのであった。
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