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2.公園
たっ たっ たっ たっ たっ…
いつも全速力で走り抜ける公園。
この辺りに引っ越してきたのは私が高校生になってからだから、この公園で遊んだ記憶はない。
昼間は子ども達が遊んでいるし、夕方になれば学校帰りの中学生でいっぱいになるし、夜になればカップルが1組いてコソコソ話してる。
休みの日なんかはキャッチボールをしてる親子を見かける。
春には花見が出来るくらい桜が咲くから、宴会を始めるじいさんばあさんがいる。
だけど朝の公園はまだ誰もいない。
それは当たり前かもしれないけど、なにげなく見落としてることじゃないかな。
運動不足の私が、唯一、たった数分だけ走る公園。
上を見上げたら裸になった木の枝の間から青空が見えた。
"春の準備をしてるんだなぁ"
空を遮る枝についた小さな膨らみがそう感じさせた。
足元は霜柱。
冬なんだけどワクワクする瞬間。
一瞬で走り抜けた冬と春の間。
「ハァッ、ハァッ…。」
息を切らして歩き出す。
今日の運動終了。
私の運動時間もまた一瞬だった。
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