第1章 to station from home

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3.線路沿い 私の家は駅まで徒歩10分。 駅へ行くには、公園を抜けたら線路沿いをずっとまっすぐ。 田んぼ沿いでもある。田んぼの周りには毎年たくさんの菜の花が咲いて電車から見ると田んぼの広さと延々と続く黄色い道がとっても気持ちがいいんだ。 そんなのどかな所。 "先の見える人生って安心できるだろうな。" そう思ったのは、今歩く道がただまっすぐで、駅までの道がはっきり見えるから。 "先の見える人生なんてつまらないなんて言うけど。確かに見えた先が、まぁ楽しけりゃいいけど、悪かったら生きる気力失くすよなぁ。" "でも、先が分かってれば失敗したり、後悔したりしないんじゃないかなぁ。" 後悔ばかりの私。過去を振り返りたくない私。 自分のことが好きではないけど、でも今の自分を変えたいとは思わない。それは嫌いにはなりきれない部分があるということだろうか。 "自分のことが好きだと本気で言える人は世の中どれくらいいるのかな。自分を愛さなければ他人(ヒト)を愛せないって本当なのだろうか。" 一般論はあまり信じない方かもしれない。自分は自分、他人は他人が私のモットーだから。よく言えば十人十色ってやつ? そんなことを考えてるうちに、もう駅だ…
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