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「桜井絵里奈、非の打ちどころがないよな……。細くて、正統派美人だし、さりげなく頭も良いし、なんにでも一生懸命で可愛いし、ちょっと天然だし」
遠くから絵里奈を見つめる太一の顔が緩んだ。
平山太一は浅井凌と違い『桜井派』なのである。
「……太一なら告白してもイケそうだけどな?」
太一はとにかくモテる。
浅井のモテとは程度が違う。太一はいわゆる『イケメン』の部類なのだ。
太一ならば、桜井絵里奈を射止める事も容易いだろうと浅井は思う。
太一は浅井の言葉にニンマリ笑った。
「本気なんだ。慎重に行くよ」
思いつきで行動する浅井と違って、平山太一は冷静沈着な男だった。
浅井とは中学からの付き合いであり、同じサッカー部に所属していたが、その時も太一はキャプテンを務めていた程だ。
「太一が恋愛に本気かぁー……」
浅井の言葉に、太一は「何ソレ?」と笑ったあと、爽やかなスマイルで呟いた。
「初めて俺に釣り合う女見つけたよ」
そう。平山太一は超が付く程の自信家なのだ。
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