浅井凌の事情

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「んと……可愛いとことか?」 「顔?」 「……も含め」 「……顔、ちゃんと見えてんの?」 まあ、と浅井がハニカミかけた時、未奈が浅井の腕をグイと引っ張った。 「見えた?」 二人の顔が五ミリの距離を残し近づいていた。 浅井が理性を失い、暴走しかけた時、未奈はフイっと顔を背けた。 それと同時に廊下がガヤガヤと騒がしくなった。 どっかの部活が朝練を終えたのだろう。 「ねえ、浅井」 「……はい」 「言うの忘れてたけど、誰にも言っちゃ駄目だからね?」 「へ?」 「アタシ達が付き合ってる事」 未奈はニッコリと笑った。  
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