浅井凌の事情2

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「桜井絵里奈、非の打ちどころがないよな……。細くて、正統派美人だし、さりげなく頭も良いし、なんにでも一生懸命で可愛いし、ちょっと天然だし」 遠くから絵里奈を見つめる太一の顔が緩んだ。 平山太一は浅井凌と違い『桜井派』なのである。 「……太一なら告白してもイケそうだけどな?」 太一はとにかくモテる。 浅井のモテとは程度が違う。太一はいわゆる『イケメン』の部類なのだ。 太一ならば、桜井絵里奈を射止める事も容易いだろうと浅井は思う。   太一は浅井の言葉にニンマリ笑った。 「本気なんだ。慎重に行くよ」 思いつきで行動する浅井と違って、平山太一は冷静沈着な男だった。 浅井とは中学からの付き合いであり、同じサッカー部に所属していたが、その時も太一はキャプテンを務めていた程だ。 「太一が恋愛に本気かぁー……」 浅井の言葉に、太一は「何ソレ?」と笑ったあと、爽やかなスマイルで呟いた。 「初めて俺に釣り合う女見つけたよ」 そう。平山太一は超が付く程の自信家なのだ。  
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