浅井凌の事情

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「そんなことより、浅井、アタシと付き合おうよ」 「え?」 浅井の顔が瞬時にショボーンからキターに変わる。 まさに青天の霹靂というヤツだ。 「ええ? マジ?」 柊未奈は机の上で立ち上がると、制服の乱れを直した。 「でも、童貞とはセックスしないからね」 言いながら未奈は机からピョンと飛び降りる。 その言葉を浅井凌はあまり聞いていなかった。 ……水色のレースだった。 柊未奈は鞄を手に取ると、上履きをペタペタ鳴らしながら、入口の方へ向かった。 「帰るの?」 浅井の言葉に振り向く事もなく教室を出ていった。 が、五秒後に戻ってきた。 「明日の朝ごはんはパンがいい。アタシ、甘いのしか食べないから」 それだけを言い残して彼女は去って行った。  
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