悪ノ娘

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ついに王宮は囲まれて 家臣たちも逃げ出した 可愛く可憐な王女様 ついに捕らえられた         「この 無礼者!」         悪の華 可憐に咲く 悲しげな彩りで 彼女のための楽園は 嗚呼 もろくもはかなく崩れてく     むかしむかしあるところに 悪逆非道の王国の 頂点に君臨してた 齢十四の王女様     処刑の時間は午後三時 教会の鐘が鳴る時間 王女と呼ばれたその人は 一人牢屋で何を思う     ついにその時はやってきて 終わりを告げる鐘が鳴る 民衆などには目もくれず 彼女はこういった         「あら、おやつの時間だわ」         悪の華 可憐に散る 鮮やかな彩りで のちの人々はこう語る 嗚呼 彼女は正に悪ノ娘
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