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ついに囚われる王女様
群衆は歓声を上げる
沸き立つ人々に背を向け
使者は眉を顰める
「王女は何処に?」
悪の使者 面上げて
王女の姿を探す
紫の使者の彼だけが
嗚呼、双子の違い見分けられた
昔々の海の果て
小さな島国から来るは
黄の国を疲弊さす為
裏切りの命を受けた使者
苦しませず見世物にせず
せめてこの手で終わらせよう
異国の使者は刀を手に
一人路地裏歩き 思う
ついに見つけた我が王女
終わりを告げる鐘が鳴る
召使の服の少女は
空を仰いで言う
「あら、おやつの時間だわ」
使者はただ、跪いて
気高い亡骸抱きしめ
騙したのは国か王女か
嗚呼、それとも己の愛なのか
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