朝ご飯

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次々と敏明の前に和食が並べられた。 あじの開き、豆腐の味噌汁、ホウレン草のおひたし、卵焼き… 朝から豪華である。 敏明の結婚前までの朝はカロリー食品や片手で飲めるゼリーなどだったため、少しばかり嬉しかった。 最後に白いご飯がおかれ、 「お口に合うかわかりませんが…。」 と言って一歩下がった。 敏明はお箸をとり、先にホウレン草のおひたしに手を伸ばした。 「…うまい。」 程よい具合にダシがきいていて鰹節の良さがひきたっていた。 敏明は無意識のうちに声にしていた。 「ほ、本当ですか?!」 「あぁ。」 返事はそっけなかったが、早由里は相当嬉しかったみたいだ。 敏明は無言ですべて食べた。
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