風の物語

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  風であるこの身には、 彼女を抱き締める腕がない。 彼女を励ます声もない。 彼女の所に留まることすら出来ない。 自分は、風だから。 「でも僕は、あの子の傍に居てあげたいのです」 それを聞いた魔法使いは彼の身を不憫に思い、 十月十日をかけて、風に人間の身体を与えた。  
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