片倉小十郎出発

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思いの外、細川邸には早く着いた。休む間も惜しんで駆け抜けた。馬は疲れ果てている。細川忠興の家臣が一人出迎えた。 「よくぞお越し下さいました。何とお礼を申し上げてよいか分かりませぬ」深々と頭を下げ、奥の間に小十郎を案内する。 灯りも灯っていない暗い廊下を、年老いた家臣が持つ微かな灯りだけで、奥方が待つ部屋へと向かう
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