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政宗は小十郎を呼んで、細川ガラシャから来た書簡を見せた。
小十郎は黙って書簡を読み、読んだ後も一言も言葉を発することは無かった。
「さて、どうしたものか………」
政宗は小十郎の表情を伺ってみたが、何を考えているのか分からない。
「龍の右目を貸して欲しいとは、突拍子もない事を言いだす奥方よ。夫の出陣中にもかかわらず。」
「この返事は、小十郎。お前に任せる。行きたければ行くが良し。行く気がなければ行かなければ良い。しかし、これだけは言っておく、行くならば、必ず生きて帰って来ると誓え」
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