49人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ? あの影はなんだろう、カラス……じゃないよね?」
そう思ってる間に小さかった影は、ほんの少しの考え事をしている間に大きくなっていた。
ミズキは内心焦っていた。
もちろんこんな奇妙な光景に出会うのは初めてで、今までに体験したことがあるはずもない。
自分でも心臓が大きく鼓動しているのがよく分かる。
ミズキは心にある焦りを振り払い、気持ちを落ち着かせた。
そして、ついにミズキの目の前にまでせまって来た影を、ミズキは反射的に受けとめる。
父親譲りなのか分からないが、そういう度胸はしっかりとしているのがミズキだ。
受けとめた影響で後ろに転んでしまったが、ミズキが抱えているモノは、外傷もなく大丈夫。
転んでしまった影響で頭を軽く打ち付けてしまったが、今のミズキには関係ない。
今大切なのは、落ちてきたモノはなんなのか……だ。
最初のコメントを投稿しよう!