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「痛たた、頭がぼんやりするなぁ。」
そんなことを言いながらも、ミズキは落ちてきた影に視線を送る。
いや、目を開けた瞬間に見えていたと言う方が正しいかもしれない。
水色がかった綺麗な髪に、きめが細かく柔らかい白い肌。
その二つが分かった瞬間、ミズキの頭の中である一つの答えにたどり着いた。
その答えを頭の中で否定したが、驚きを隠せない。
(えっ!? もしかして人間なのかな?
でも、なんで人間が空から?)
しっかりと何回も落ちてきた影を見たが、影の正体は正真正銘の人間であった。
歳はミズキと同じぐらいの、十五歳ぐらいの女の子。
水色の髪が、空色の風になびいていた。
受けとめる時に打った頭の痛みが激しくなり、ズキズキする頭を我慢しながら、ミズキは落ちてきた不思議な少女を家に運び込む。
慣れた手つきでサッと布団をしいて布団に寝かせると、少女は痛みをこらえているミズキとは逆に、穏やかな顔で眠っていた。
そんな姿を見て安心したのか、意識はそこでとぎれていった。
ゆっくりとゆっくりと……
深く深く……
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