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少女は一瞬耳を疑った。
「えっ!?
で、でも私は……多分王都とか言うでっかい村から逃げて来たんだよ?」
少女は曖昧にいいながら、赤い瞳を小刻みに揺らしてミズキを見ている。
それを聞いたミズキは、不思議そうな顔をしていた。
「だから?
そんなの関係ないよ、僕はオウトなんて知らないけど、僕は君に居てほしいから。」
言った後に少しだけ……ほんの少しだけ顔に陰りが見えたが、ミズキの表情はすぐに笑みに戻っていた。
「えっ? だから私を殺そうと王都から……多分やってくるはず、私……牢屋に入ってたし。
そしたら……貴方にも、この村に住む人達にも迷惑がかかってしまうの……だから……」
ミズキはハハッと笑っていた、だがそれはとても乾いた笑み。
何も思い出したくない……そんな笑顔だった。
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