49人が本棚に入れています
本棚に追加
「私の心の中は貴方でいっぱい……
こんなに話せて、優しくて、初めて私は幸せを感じました。
でもだからこそ、私が迷惑をかけてはいけない気がする……」
そう言い終わる直前に、どこからともなく、一陣の強い風が吹き荒れた。
それに伴い桜も吹き荒れ、まるで天に流れる、鮮やかなピンク色の天の川のようであった。
しかし少女の目には、違うナニかが映っている。
桜のようなピンク色の髪。
茶と緑色の美しいドレスを来た、宙に浮く綺麗な女性だった。
その者は少女に言う。
「我はこの地を治める者、タムティルと申します。
どうかミズキに付いていてあげてください。
彼にはもう、あまり時間はないのです。
貴方が希望を……ミズキを支えてください。
貴方もきっとミズキに救われますから。」
タムティルという名の女性は、それだけを言い残し去っていった。
そしていつしか風に誘われて、少女は夢のなかに陥っていた。
最初のコメントを投稿しよう!