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今から昔、世界上にはどこにでもありそうな、特徴もないありふれた村が、いくつもありました。
しかし、いつしか力を持つ村ができてしまい、その内1つが独立を始め、1つ、また1つと独立をしていき、大きな町や都市、国へと発展していくのです。
だが勿論、良いことばかりではない。
そんな華やかな話には裏があるのが世界の常だ。
村を独立する過程で、ある村は奪われ、ある村は壊され、ある村は潰されていく。
全ては国や都市を作るための、土地や人材を必要としているからである。
中にはこんなことを言う輩までいた。
「ハナ、神の花を探せ!
地を潜り天を貫け。
創愡鵬華(ソゾハカ)を見つけるためなら手段は問わない。」
他の村から来た者が、身勝手な理由で人々の村を、幸せを、平然と壊していく、そんな世界でした。
しかし1つだけ、何者にも侵略されていない小さな村が1つだけありました。
名をなんと言ったか……
そう、それは確か、ミズキ村だったはずである。
この本は、そんな小さな村から始まる、小さな小さな物語である。
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