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他の家とは違うが、少し大きくて少し立派というだけで、大した遜色はない。
少年は迷わずその家の中に入った。中には特に何もなかったが、1つだけ目をひくものがあった。
それは質素な部屋に似合わない、上に掲げられている豪華な額縁である。
中には白黒の絵で、髭を生やしたお爺さんが写っていた。
額縁の下には、トラスシファド・ゴウラ・パスタルと言う名前が書いてある。
恐らく、このお爺さんの名前であろう。
少年はそんな額縁の下に置いてあるタンスから、引き出しを開け一冊にまとめられた、少し黄ばんだ古い紙の束を取り出した。
青く古ぼけた表紙にはこう書いてある。
我が孫ミズキの成長日記……と。
少年はそれを見て「おじいちゃん……」と小さくつぶやきながら、日記を胸にギュッと押しつけていた。
ミズキ……
それがこの少年の名前だろう。
トラスシファド・ミズキ……
トラスシファド・ゴウラ・パスタルとは爺と孫の関係にあたる。
ミズキは、その日記をさらにギュッと胸に抑えつけ、小さな涙を流していた。
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