Steer

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「不満か?なら騒いで喚こうか?」   「いや、遠慮するわ……」     これは何を言っても無駄だと何となく分かる。   これがリンの性格なのかもしれないし、嘘をつかないのがポリシーなのかも知れない。     「後1つ忠告がある」   「……何よ?」     先程の笑みが冷笑に変わった……そんな気がする。     「目を塞いでる布か何か……外さない方が良い」     「……何でですか?」     「見てるから……」     「……誰が?」     「名前に正体は言えない。これは言えない事……例え殺されても……」     ……見てる。   気配を……魔力を探知して見たが何もない。   ルルに視線を送って見るがルルも分からないと言った表情だ。     「大丈夫。"俺は"イヴァの仲間だ。信用出来ないならこの姿のままでいいけど椅子に座って話したい」     ガシャガシャと鎖を鳴らしながら訴える。     リンの冷笑がただの笑みに戻った……そんな気がした。   .
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