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「何者でもないよ。 地球……いや、魔界の人達が言うただのひ弱な星界人だ」
現状の把握や彼女と言う人を知る事、目的を聞き出さなければならない。
「へぇ、魔界が分かるのね……魔界についてや咎人の件。 質問は沢山あるけれど……咎人かって質問よね? 答えはノーよ」
魔眼は強い。
強いが故に持っている者は普通居ない。
「ならなぜ魔眼を持っているのかな……魔眼は努力しようが何しようが手に入らない……だって――」
「゙神殺しの証゙だからでしょ?」
少女はまた微笑みながら真直ぐに見据える。
何か分かったかの様に、その顔を再び妖艶に歪める。
「もういいわ……頭の悪い奴なら遊んであげるのも楽しい余興だけど……貴方は頭もキレるみたいね」
「残念ながら過大評価しすぎだよ……魔界があるのは知ってたけど君が何者とか全く分からないし」
彼女は僕より頭が良いらしい。
いままでの流れを全て壊された。
「そうね、言ってなかったわね。 私は魔王候補第1席のイヴァよ」
そして全く予想していなかった少年に、それはあまりに唐突で重い一言だった。
対話が出来た事での油断、心にできた隙をつかれた。
少年は、咎人……神殺しの証と言われる魔眼を発動してしまったのだ。
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