Steer

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「容姿なら私に劣らないほどに格好いいわね」 手を顔に添えながら言うイヴァに少し見惚れる。 「お褒めの言葉をありがとう」 リンが言い終わると、いつの間にか詠唱していたのか光の粒子がイヴァを包んで行く。 「……無駄よ?」 「そうかな?」 次の瞬間―…彼女は目を見開き、そして後ろへ飛び下がった。 「貴方その右眼……」 驚愕の表情でリンの眼を見ていた。 「これが左だけにしか魔法陣がなかった理由だよ」 リンは発動したのだ。 右眼の魔眼を……左眼とは違う。 黒の瞳に映える、黒の魔法陣を刻んだ魔眼がそこにはあった。 「ふ、ふふふ……ふふふふ……」 急に笑いだす少女。 そして溢れ出す強大な魔力。 「欲しい」 魔力はが溢れ続ける。 今まで出合った天使よりも死神よりも……その大きな魔力にその時は、何も出来なかった。 「リン……お前が欲しい……心も体も全て」 「お、おい……冗談でしょ」 その魔力は強大で……肌がビリビリと痛い。 「くッ…………!」 日本で、ここに召喚された時に聞こえた声が頭に響いた。 瞬間、地面や空……周りの景色が紅の色に染まる。 .
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