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「それは15歳以下のものは曹長以上の階級になれんからな。
しかし……最年少尉官が、一度に二人……か」
「二人……?」
俺のその問いに――担当の士官は苦笑すると、
「知らんのか? 君と同様、やはり尉官になった新兵がもう一人いる。配属先は……
君と同じ、チーム・ブリットだ。向こうで会ってみるといい」
同僚……ということか。
俺と同じということは、それなりに腕も立つ……という風に考えてもいい、ということなのだろう。
短い付き合いには、互いにならないで欲しいものだが。
と――担当の士官が、自らの腕時計に目を落として―― 一つ頷き、操作盤のボタンを押した。
ばしゅ、という異音と共に、気密を利用し強固に閉鎖された強化金属の扉がスライドする。
……そろそろ、時間か。
「では、ユウイチ少尉。……貴官の頭上に、日輪の在らんことを……」
「はっ。 ……陽光を、我が手に」
敬礼を返して――俺は扉の奥へと歩を進めていった。
俺が完全に通り過ぎたのを確認して――扉は再び閉じられる。
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