ブルーオーシャン

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その誕生こそ悲しむべきものであったが――戦いのなくなった今、それは科学の生んだ究極の申し子。 その技術を転用し、さらに人類は繁栄の道を目指し、終わらぬ旅を続けていった――そんな、時代の分かれ目。 ――だが。その歩みは――俺達が止める。 決して歩ませるわけには行かないのだ。 未来を否定するものは、愚か者以外の何者でもなかろう。 だが――過去を否定すること。それは後世の者達にとっての、唯一の権利なのだから―― ……やがて、オレの体を包み混んでいた開放感が失われていく。 程なくして、カプセルの蓋が音もなく開いていった。 俺は目を――まだ視力の回復していない目を、うっすらと開ける。 そして、そこにいる数人の担当員であろう人影に、何とか声を紡ぎだした。 「……ラウロード地球方面軍少尉ユウイチ・オオカワ。現時刻を以って、3002年侵攻の任務に当たります」 「……了解した。ようこそ……少尉。3002年へ」 そして――俺の戦いが始まった。 V.A.  Another story  “Team bullet”
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