第一話 『逢』

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第一話 『逢』

特殊独立遊撃部隊『チーム・ブリット』。 敵軍への奇襲や撹乱、先制攻撃や電撃作戦等々、その任務内容はいわゆる「切り込み特攻」役だが、 実際には、そのチーム名が示すとおり――「鉄砲玉」役がいいところだろう。 宙・空両用の快速艇に、V.A.が二機。ドライバー一名にパイロットが2名、整備兵が一名。 遊撃隊としては、過不足の無い人員ではあるものの――その構成員の平均年齢は、19歳。 俺一人では、ここまで平均年齢を落とすことは出来ない。 少年兵、新兵をそろえただけの部隊――他にも、こんな部隊はいくらでもある。 そして――たった一度きりの出撃で、戻って来られなかった部隊も ただ、この部隊は何でも、現在地球侵攻の総指揮を執っている『蓮輪の九軍師』の一人、 カール・ヘイルターシュ元帥の口利きで、装備もスタッフも一流のものがそろっていると聞いているが……。 正直、どうなのだろうな。 それでも死ぬやつは死ぬし、生きるやつは生きるものだ。 なるべくなら、後者にありたいものだが―― 「……さて」 手渡された資料にざっと目を通して――俺は改めて、現在の位置を確認する。 このポート――3002年の月軌道上に存在する、前線基地を兼ねた施設。 ここへと転移してきたのが、時間を遡ること2時間前だ。 チームブリットの同僚とは、このポートで現地集合し、顔合わせとなっている。 しかし――ちょっとした、小惑星規模ほどあるこのポートには、常時数千もの船舶が停泊している。 そんな中、快速艇一つを特定して探すのにはなかなか骨が折れる。 一応ナビゲーションがあるとはいえ、厄介なつくりになっているものだ……。 しかも、このポートを歩いてからずっと、すれ違う兵の大半が俺に振り返る。 今時、少年兵も尉官用の制服も大して珍しくは無いだろうに―― その二つが合わさっただけで、こうも他人の目を引くものなのだろうか? ……いや、今はそんなことよりも、ナビに集中しなければ―― 「ねぇねぇ、そこゆく制服のお兄様☆ キミが、尉官最年少記録を更新したっていう人なのかしら?」 ふむ……まだ通っていない通路は……と。 「あたしはセレナ。セレナ・シルバラ。花も盛りの16歳~☆ で、上から82・58・82……ををっ!
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