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[幸村夢/微甘]
愛しくて
愛しくてたまらない
もっと君に触れて
もっと君を感じたいんだ
こんなことを考えているのは
僕だけですか?
『佐助ー?』
「はーい雛様どうしました?」
またか…
最近雛殿と佐助は仲がいい
…いや、よすぎる
雛殿はお館様の養子で某の婚約者
「はぁ…」
雛殿…雛はとても純粋で強気な女子だ
雛と某の婚約が決まったのは5年前
某が12、雛が11の時だった
『幸村様ー!!』
パタパタと音を立てながらよってくる雛
子供らしい…
「どうしたのだ?」
『はい、あの…あとでお話があるので私の部屋に来て下さい…///』
そういうと雛はすぐにどこか(多分部屋に戻っただろう)に行ってしまった
「雛ちゃんからお誘いかー
隅に置けませんね旦那♪」
「馬鹿を言うな…おまえが思っているほど良い話とは限らん」
別に胸騒ぎがするわけではない
ただ最近佐助と一緒にいるところを見すぎて嫉妬しているだけだ
「とりあえず行ってくる」
某は佐助の顔を見ずその場を通り過ぎた
「せっかくのうれしい話なのにあんな顔して……」
「雛殿?」
部屋の前で名を呼ぶと障子は静かに開かれた
『御早いですね…』
「…用件は?」
『その仏頂面をやめてください
お話にくいです』
そんな怖い顔をしてたのか…
『幸村様…私たちは婚約が決まりもう5年になります』
「そうでござるな…」
『このようなことは私から申すことではないと思いますがその…佐助が…』
「別れ話なら聞かぬぞ」
『?誰がいつ別れ話などと…?』
「…いや、今のは忘れてくだされ
で、話は?」
雛は顔を赤く染めながら某の顔を見る
『私、と…夫婦の契りを交わしてください…っ!!//』
「え…」
間の抜けた声が出た
雛はさっき以上に顔を赤くしてギュッと目を閉じている
その姿に先程の言葉が嘘でないことが手に取るようにわかる
「…先に言われたでござる」
『幸村様…?』
「雛…某と夫婦の契りを交わそう」
『!!はい//』
雛は嬉しさから出た涙を流しながら某に抱き着いてきた
そんな雛を壊れ物を扱うようにそっと、けれど離さぬよう強く抱きしめた
END
なんか黒いぞ幸村(゚ω゚;)
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