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猟師はいわれるままに、白雪姫を森の奥へ連れていって殺そうとしましたが、美しい白雪姫に泣いて命乞いされるとかわいそうになりました。
そこで、お城へ戻らないと約束させて白雪姫を逃がすと、猟師は代わりにイノシシを殺してその肺と肝を持ち帰ったのです。
お妃は、猟師の持ち帰った血が滴る肺と肝を見ると喜んで、料理番を呼びました。
「すぐに、調理にとりかかるんだよ。血を一滴でもこぼさないようにね」
料理番が肺と肝を塩ゆでにして持ってくると、お妃は我を忘れ、美しい顔がゆがむのもかまわず、かぶりちきました。
そして、白雪姫への憎しみをのみきだすように、白いきれいな歯で食いちぎりながら、ひとかけらも残さずペロリとたいらげたのです。
「白雪姫の美貌はこれで私のもの…」
こうして奇妙な食事を終えた妃の頬には、満足そうに笑みが浮かびました。
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