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浮き立つような足どりで城に戻ったお妃は、さっそく鏡に尋ねました。
「鏡よ、鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」
「お妃様、あなたです」
鏡は答えました。
そのころ森の家では、白雪姫が倒れているのを見つけた七人が、いろいろ介抱してみましたが、今回ばかりは息を吹き返しません。
彼らは、白雪姫は死んでしまったと、三日間泣き暮らしました。
でも、白雪姫がただ眠っているかのようにとてもきれいな顔をしていたので、いつでも白雪姫に会えるようにガラスの棺に横たえました。
ある日、森のなかを偶然ある国の王子が通りかかりました。
王子は棺のなかの白雪姫の美しさにひかれ、
「この美しい姫を私にゆずってくれないか。きっと大切にするから」
と、熱心に頼みました。
最初は渋った七人も、ついには王子の熱意に負けて、白雪姫をゆずることにしたのです。
王子は家来たちに棺を運ばせましたが、その途中で家来が木につまずき、棺が揺れました。
そのとたん、白雪姫ののどにつまっていた毒のリンゴが飛び出し、白雪姫は生き返ったのです。
喜んだ王子は、これまでのことを話して聞かせ、自分のお妃になってくれるよう頼みました。
こうして白雪姫は、王子の妻となるべく、城へとついていきました。
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