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盛大な結婚式には、白雪姫の母親であるお妃も招かれました。
お妃は、白雪姫がまたもや息を吹き返したのを知り、驚きました。
そして、今度は怖くなりました。
しかし、白雪姫が本当に生き返ったのかどうか知りたくてたまらなくなり、とうとう結婚式へと出かけたのです。
大広間に入ると、そこにいるのが、本当に白雪姫だと気がつきましたが、そのときはもう、石炭の火の上に鉄の靴が置いてあり、真っ赤に燃えていました。
そして、家来がそれを火ばさみではさんで、お妃の前に持ってきました。
お妃は、恐怖の色をたたえた瞳で、白雪姫の姿を探しました。
そして王子に寄りそうように立っている白雪姫を見つけると、
「助けておくれ、かわいい、私の娘」
と命乞いをしました。
しかし、白雪姫は、お妃をじっと見つめたまま、幸せそうなほほ笑みを浮かべて、みじろぎひとつしません。
驚愕で呆然としたお妃を、周りの家来たちがさらにとりおさえて、その足を焼けた鉄の靴にむりやりはめこみました。
じゅうっと鉄板で肉を焼いたような音がし、お妃の足下からは煙が立ち上がり…。
「ひいいいいいいいっっっっっ~」
耳をつをざくような絶叫が、お城の壁にこだましました。
結局、お妃は、白雪姫を殺そうとした罰として、真っ赤に焼けた靴を履いて、地面に倒れて死ぬまで踊りつづけなければなりませんでした。
お妃に何度も殺されかけた白雪姫は、こうして実母を処刑し、王子とともに末永く幸せに暮らしました。
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